20200725
彼は30年間と決められて地球に舞い降りた天使だったのだ。
こうなることは最初から運命的に決まっていて、彼は、彼の人生を、30年間を、生きていたのだ。
そう自分に思い込ませないと悲しみの渦から立ち直れないような気がしている。
「人の死はあっけないものだ。」
よく聞く言葉だ。
今回の訃報を知ってから夜になると思い出してはこころが沈んでしまう。
特別好きだった訳ではない、でも、確か小学生の時にみた彼の作品の役にとっても魅力を感じたのを覚えている。それは彼自身が魅力的だったからなのだと気づくのはまた後の話。
亡くなった人のことをこうやって敬うような表現はすごくおこがましいし、何様なんだと思う自分がいるが、彼の姿を目にするたびに何か大切なものを地球から無くしたような莫大な喪失感に陥ってしまう。
そして瞬時に、幼少期祖父が亡くなる寸前病院にお見舞いに行った時の風景や匂い、葬祭の時の親の振る舞いや、やけに自分の身体中に響き渡るお経や線香の匂いを思い出す。
そういえば
小さい時から夜中にお母さんとお父さんが死んだらどうしよう
って考えては悲しくなって泣きながらお母さんの布団に潜り込んでいたなあ。
一人暮らしをしている今でもどうしようもなく不安になって寂しくなって東京から九州まで走って帰りたくなるぐらい耐えられない夜がある。
こんな寂しさや不安はいつになったら消えてくれるのだろう。
そう願ってきっと10年くらい経った。
この期間、寂しさや不安は消えることはなかった。
私は思う、神様から与えられた人生の大きなテーマの1つに”寂しさと生きていく”があるということ。
きっとこの感情を分けあえる人と出会うのが人生なのではないか?
21歳の私が今の時点で出した人生の途中経過報告。
あー。
生きていくって難しい。
でも、楽しいよ、きっと。
明日も自分のペースで楽に過ごしていこうと思う。